Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate
二
「変なことにもいろいろあるが、どんなことがあったんで、お神さん」
促し顔の平次。人の話を引出したり、堅い唇をほぐすことにかけては、稼業柄のうまさがあります。
二
桶屋の女房の話は雲をつかむようでした。が、とにかく、恐ろしい呪いが、桶屋一家の上を、黒雲のように覆っていることは疑いもありません。
「一と月ほど前から、変なことが続きます。最初は、井戸の中へ蛇や蛙の死骸を投り込む者があって弱りましたが、近所の子供の悪戯だろうと、腹を立てながらも我慢をしていると、二十日ばかり前、主人が怪我をして来ました。もっとも、ひどい闇の晩で、下水へ突っ転んだとは言っていましたが、後ろから斬られた傷で、転がって出来た傷じゃありません。袷の肩先が、斜っかけに裂けて、背中へ二三寸浅傷を受けたんですもの、勘平さんだって間違いっこありません」
桶屋の女房は真顔で洒落を言っております。
「それから」
平次はその先を促しました。
「隣町の外科に頼んで、塗り薬か何かで誤魔化し、幸い傷は癒りましたが、今度は――」
「…………」
お夏はゴクリと固唾を呑みました。
「一昨日の晩は、もう少しのところで一家焼き殺されるところでしたよ。