Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate
八
八
「これでよかろう。曲者は誰だ、名指してみるがいい」
大村兵庫は一刀を引寄せます。
恐ろしい緊張が、縁から庭に流れた。男女十数名の顔をサッとかげらせました。
「それを申上げる前に、少しばかり、古いことを思い出して頂きとうございます。今から十年前、格別の御目を掛けられた召使おせいという娘、不義の悪名を負わされて御手討になった事がございます」
「…………」
「真実は不義ではなく、許嫁の良夫があったのでございます。又三郎という遊び人で好い男ではあったが、至って向う見ずで、殿様に召された許嫁のおせいと、御邸の木戸のところで逢引しているところを見付けられ、おせいは一刀の下に斬られて相果て、又三郎は逃げる背後から袈裟掛に斬られたまま大川に落ちて相果てました」
「…………」
大村兵庫は痛いところに触られて、ムズムズしておりますが、平次の調子に淀みがないのと、一つも嘘が交らないので、口の出しようがありません。
「――いや、死んだと思われて、その実人に助けられ、傷養生をして丈夫になったのでございます。又三郎は袈裟掛に斬られたに相違ありませんが、刀尖が伸びなかったので、背中を斜めに一尺も割かれ、大変な出血で、しばらくは命が助かっても起上がる力もなかったことでございましょう。