Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

四

「大怪我をなさいましたんで、ヘエ」

「命は」

「お気の毒なことでございます」

「怪我や病気に岡っ引は用事があるめえ。上手な外科なり、それも及ばなきゃア、お寺へ行くのが順当じゃないか」

平次はますます、峻烈です。

「それが、その、勝造さんが、気に入らねえことがあるから銭形の親分さんにお願いして、見て頂くようにと言うんで」

「何? 気に入らねえ事がある?」

平次は考え込みました。使いは番頭の徳三郎が出したことと思い込んでいると、思いも寄らぬ勝造の指図と聞いて、しばらくは迷った様子です。

「八、もう一度出かけよう」

「ヘエ――」

「思いの外、混み入っていそうだ」

「まだ水も飲んじゃいませんよ」

「馬鹿野郎、手桶へ頭でも突っ込んでいるがいい」

平次はギュッと帯を締め直すと、お静の出してくれた羽織を引っかけて、使いの男と一緒に出掛けました。

四

「あッ、銭形の親分さん」

越前屋の店へ入って、一番驚いたのは番頭の徳三郎でした。

「御主人がどうかなすったそうだね、ちょいと見せて貰おうか」

「ヘエ、とんだ事になって、途方に暮れております。どうぞこちらへ」

徳三郎の案内で、煮えくり返るような家の中を、掻き分けるように裏口へ抜けました。