Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

七

「こりゃ、もう一度考え直さなきゃなるまい」

「下手人は女ですか。親分」

「まだ判らないよ。――もう一度雪が降らなきゃ」

平次は、薄曇りの早春の空を仰ぎました。

七

その晩は誂えたように雪、これが今年の名残でしょう。朝までに降り止んで、二寸ぐらいは積りました。

薄暗いうちに飛起きた平次は、前の晩から泊り込んでいたガラッ八に、何か言い含めると、自分は、三輪の万七を誘って上根岸の寮へ向います。

「何があるんだ、銭形の。俺はお上の御用こそ勤めているが、朝起きとぬるい茶は大嫌いだよ」

そんな事を言う万七を追い立てるように、寮へ着いたのはやがて卯刻半(七時)頃でした。

主人の死骸は車坂に移しましたが、こっちもお咲の葬式が済んだばかり、茂助とお金と角太郎が、うら淋しく留守を預かっております。

「まア、少し休んで、八の野郎が来るのを待とう。面白いものを持って来るはずだから」

平次は寮に着くと、急に落着き払って、お金のくんでくれる渋い茶などを啜りました。

それから四半刻(三十分)ばかり。

「親分、用意が出来ましたよ」

裏口から呼ぶのは、ガラッ八の声でした。

「さア、三輪の兄哥」