Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate
七
泥を拭いて仏壇の中に納め、ピタリと扉を閉めました。
「明日は親類方に集まって頂くとして、今晩は店中の者が交る交る、三人ずつ張番をしてくれ」
徳三郎の処置には、文句の付けようがありません。勝造は黙って引込むと、お粂は勝誇った姿で、家の中一杯にはしゃぎ廻りました。
七
「親分、瓶を開くのは正辰刻(午前八時)だ。ボツボツ出かけるとしましょうか」
ガラッ八に誘われると、平次は何やら考えに沈みながら顔を挙げました。
「何だか知らないが、俺は馬鹿にされに行くような気がしてならねえ」
「一体下手人は誰だろう、親分は大概目星は付いたでしょうが――」
「それが判らねえから不思議だ。長い間十手捕縄を預かっていろいろの人間を手掛けてみたが、こんな悪く悧巧なのは始めてだ。証拠を一つも残さねえから怖い」
「親分が怖いんですって?」
「そうだよ」
「不思議なことがあるものだね。あっしには悪者がよく解っている積りなんだが」
「誰だ」
「勝造ですよ」
「馬鹿なことを言え、あれは江戸中でも滅多にないほどの正直者だ、正直過ぎて困るくらいの男さ」
「ヘエ――」
平次はそれっきり口を緘んで、通三丁目へと急ぎました。