Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(二)八人芸の女

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate

Aozora Bunko

八

父上の罪、私どもの罪を、少しでも軽くしたかったのと、盗んだお金を身につけるのがイヤだったからでございます。御用聞の中には、それを黙って受取ったのもあるでしょうが、銭形の平次親分などは一文も身につけずに、八丁堀の役宅へ持って行って積んであると聞きました。御用聞、手先の中にも、そんな立派な男もあります」

「…………」

「私は武家に還るのが厭でございます。さらばでございます」

「待て待て、お島」

「…………」

木村六弥は呼び止めましたが、お島は何やら不安を感ずるらしく、それを耳にもかけず、さっと踵を返して、夜の鳥のように、闇の中に消えてしまいました。

「お島、たった、一言、聞かしてあげよう。お前は、お前は――」

闇を追いすがるのは母の声です。

「黙れッ、余計な事を言ってはならぬ」

と木村六弥はその口を塞ぎました。

その隙にお島は、名人らしい軽捷さで、両国の方へ飛んで行ってしまった様子です。

八

「八、聞いたか」

「驚いたネ、親分」

「『疾風』はお島の父親だと気がついていたが、あんな経緯とは知らなかった。が、罪は罪だ。お島が見捨てたほどの人間だもの、遠慮はあるまい。盗んだ三千両の隠し場所が判らないばかりに今まで許しておいたが、あの舟の中にあるに違いない。