Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(二)八人芸の女
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(二)八人芸の女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.562 caratteri · 291 schermate
この調子では、何を聴いても素直には言いそうもありません。五十男の我の強そうな久兵衛を相手に、平次の戦術でも、これ以上の事を手繰れようはなかったのです。
家へ帰って来ると、ちょうどガラッ八も引揚げて来ました。
「驚いたの何のって、親分」
「どうしたんだ。八」
「三崎町に何かあると、真っ先に飛出す佐七だ。旦那衆の機嫌を取結んで、碁も打てば将棋もさし、手踊りが器用で、祭の支度、法事、祝い事の献立、庖丁まで使えるというんだから大抵の幇間は跣足という佐七が――」
「それに煙に巻かれて帰ったのか」
「そんな事なら驚きゃアしませんがね。あんな陽気で口達者な男が、ろくに挨拶もしないんだから変っているでしょう」
「ハテね」
「佐七は、先月の末に自火を出して、五十日手錠の町内預けになっていますぜ」
「あッ、そんな事もあったようだね」
平次もようやく思い出しました。千三つ屋の佐七が、自火を出し、物置一軒を焼いて、手錠をはめられたのは、もうかれこれ三十日も前のことだったのです。
消防機関の完備しない、保険というもののない江戸時代は、火事に対しては恐ろしく神経質で、放火は大抵火焙りか磔刑、軽くて獄門、遠島、自火でも時代によれば、たちの悪いのは入牢、闕所、極く手軽なので手錠の上町内預けぐらいにはされたのです。