Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate
九
「八、その野郎を逃がすな、俺は家の中を捜してみる」
平次は一と間一と間、恐ろしく念入りに調べ始めました。店にも、居間にも、お勝手にも何の変ったところもありません。が、風呂場へ入って、その中へ据えてあるくせに、一向使ったようにもない商売物の真新しい風呂桶を見ると、何の気もなく、それを動かしてみたくなったのです。
ガラッ八を呼んで、二人がかりで少し退かせると、下から現れたのは、少し土を冠った千両箱が三つ。
「あッ」
平次は予期した事ですが、ガラッ八が仰天してしまいました。
「まだ面白いものがある。来い、八」
風呂場の裏の炭部屋に入ると、平次はいきなり羽目板に手をかけて、存分に押してみました。
「あッ」
もう一度驚くガラッ八の前へ、三つ目の板がスッ――と開いて、明るい庭の景色が映ったのです。
「ちょうど隣の巴屋の塀の下だから、抜け道はこの辺だろうと思ったよ、八、驚かずに伴いて来い、その縄付きを逃がしちゃならねえよ」
「ヘエ――」
こうなると、平次の御意のままです。ガラッ八は桶甚を追っ立てるように、パアッと明るい庭へ出ました。
九
江戸阿呆宮――読者はこんな言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。