Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate
「そうだろう」
平次は驚く色もありません。
「あれッ、知っているんですかえ」
「いや、そんな事だろうと思ったよ、――ところで、昨夜出がけに、お前へ頼んだが、暗くなってからこの路地を出た者は誰と誰だい」
「誰も出ませんよ。隣の按摩が出て行ったきりで――笛の音が聞えましたよ」
「何刻だ」
と平次。
「戌刻(八時)かな」
「帰ったのは」
「戌刻半(九時)でしたよ」
「路地の中から笛を吹いて出るのは可怪しいな、八」
「あっしは按摩は嫌いで」
ガラッ八は鼻の頭を撫でます。
「俺も呼んだことはない」
「たった半刻(一時間)で帰ったのも変だね、時々そんな事があるようだが」
「八、それだよ、――お前済まないがあの按摩を呼んで来てくれ、親分が腰が痛むそうだから、ちょいと揉んで下さいって」
「腰が痛むんですか、親分は?」
「何でもいいよ、腰が気に入らなきゃア臍が痛いとか何とか言え、――それから、按摩がこの家へ入ったら、その隙をねらって、あの家のお勝手から入るんだ、二階の物干しはちょうど此家の庭の上だ、話が聞えるか聞えないか、耳を澄ましているがいい――」
「そんな事をしても構いませんか、親分」
「いいよ、俺が引受けるから、――それからいい加減のところで、火事だ、火事だって呶鳴るんだ」