Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

二

二

では、捕物小説は、どれだけの特色があるかといわれると、一般大衆小説と同じように、それは娯楽的な役目を果たすばかりでなく、探偵小説の範疇に属するものとして、スリルとサスペンスの刺戟になる読書子の食慾に満足を与え、さらに作中の主人公と共にトリックを解いていくスポーツ的興味の外に、何がなし、特別なものを持っていなければならないはずである。

その一つは、江戸時代を描くことに依って味わい得る郷愁への訴えである。髷を結って刀を差していた江戸時代、青酸カリもピストルも無かった江戸時代は、馬鹿馬鹿しい義理人情に歪められた時代ではあったが、同時に、吉原と猿若町の空気が、不健康ではあるにしても、一種微妙な江戸情緒を醸し出し、そこに生まれた幾多のロマンティストが、想像も及ばぬ美しきものを織り出した時代でもあったのである。

捕物小説の主人公は、理想化された町方役人又は御用聞きであり、その活動の舞台は、ほとんどことごとくが、江戸っ子の庶民階級である。其処へ登場する武家は、先祖の手柄で徒食する、ドン・キホーテの場合が多く、通俗小説の英雄――忠臣義士はあまり顔を出さない。