Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 136.062 caratteri · 276 schermate

Aozora Bunko

二

二

「親分、驚いたぜ」

「どうした八、孫右衛門が化けて出たか」

「そんな洒落た話じゃねえ」

ノソリと宵のうちに帰って来た八五郎、苦い顔をして平次の前へ、長火鉢を挟みました。

「酔った様子もねえが、――解った、お通夜に酒の出ねえのが気に入らなかったんだろう」

「それどころじゃねえ、酒は浴びるほど出たが、――あれを見せられちゃ呑む気はしねえ」

「どうしたんだ」

「まア、聞いておくんなさい、こうだ、親分」

「フーム」

ガラッ八の話は別に変ったことではありません。躾もたしなみもない人達の間に、何万両という大身代を遺された浅ましさを、ただまざまざと描き出しただけのこと――。

「ね親分、主人が死んだというのに、涙を流しているのは、風邪を引いた猫の子一疋だけは驚くじゃありませんか」

「…………」

「町内の衆は二三十人来ているが、朝っから、まるでお祭騒ぎだ。酒屋から菰冠を取寄せて、中には歌を唄ってるのもある」

「家の者はどうしたんだ」

「それが面白いんで――甥の千代次郎と、番頭の才吉と、妾が三人、それに大徳屋へ三年前から入込んで、支配人みたいな、幇間みたいな事をしている浪人崩れの草間六弥、これだけの人間がお互に睨み合って、一文も余計なものは取込ませまいとするから、果し眼で口も利かない――そんな風だから、仏様の傍なんかへ、寄り付く者もありゃしませ