Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

首を縊るのが誉れであるはずはありませんが、それを末代までの恥にする、この人達の気持にも解らないところがあったのです。

「自分で首を吊るのが恥は解っているが、人に絞め殺されるのもあまり御武家の誉れではあるまいぜ」

「でも、御主人様はこの春から軽い中風で、お身体が不自由でした」

「中風で不自由な年寄りを絞め殺すような悪い野郎もあるのかな」

「あんまりな仕打ちに、我慢がなり兼ね、何かの証拠にもと、これを持って参りました」

お茂与という美しい年増は、帯の間から紙入を出して、その中から小さく畳んだ半紙を抜き、皺を伸ばして平次の方へ滑らせたのです。

「何だ、これは書置きじゃないか」

「ハイ」

一、書置のこと。拙者こと万一非業に相果候様のこと有之節は、屹度有峰杉之助を御詮議相成り度く為後日右書き遺し申候也。

月  日宗方善五郎 判

御役人様 御中

平次は手に取って眺めて、その打ち顫う手跡の間から、不思議な強迫観念におののく宗方善五郎の恐怖を覗くような気がして、言いようのない不気味なものを感ずるのでした。

「これはどうしたのだ」

「宗方善五郎様が、生前そっと書き遺して、私に預けておいたのでございます」