Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate
私を縛って下さい。あの女に親を殺されたと思い込んで私はお茂与を殺しました」
平次の前に這い寄るように、自分から両手を後ろに廻したのは、倅の甲子太郎でした。
「お前さんは何をあわてるんだ。親旦那は首を縊って死んだ。召使のお茂与はそれを悲しいと言って、翌る日首を縊って死んだ。あっしはそれを見届けに来ただけじゃないか、なア八」
平次は静かに立上がりざま、呆気に取られている八五郎を顧みました。
「その通りだ。それに違えねえ。親分、偉いッ」
八五郎は宙に泳ぐように、それに続きます。
「有難い、親分」
力も勢いも抜け果てたように、甲子太郎はペタリと坐って、二人の後ろ姿を伏し拝みます。
「それじゃ帰ろうか、八」
「親分、見ていて下さい。こんな商売を止して、私は裸になって出直しますよ」
甲子太郎の声はその後ろに追いすがります。
平次はそれには応えませんでした。まだ昼には間のある明るい秋の往来へ飛出すと、何もかも忘れてしまったように黙りこくって家路を急ぎます。