Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate
お六婆アの家の表は、まだ厳重に締っているので、岩吉はお美乃の声がどこから聴えて来たか、ちょっと迷った様子です。
「お六小母さんが――」
「婆さんがどうしたというんだ」
岩吉は枳殻垣と建物の間を狭く抜けて、お六婆アの家の裏口へ廻って仰天しました。
「小父さん、どうしましょう」
「どうもこうもあるものか、長屋中へ触れてくれ。それから、医者にそう言うんだ」
岩吉はそう言いながら、裏口の柱につかまって、ガタガタ顫えております。中へ入って死骸の始末をすることも、死骸の側を通り抜けて、表戸を開けてやることなども、この中老人は出来そうもありません。
そのうちに、壁隣にいるお美乃の父親――大工の金五郎も飛んで来ました。二日酔いらしい景気の悪い顔ですが、これはさすがに威勢の良い男で、
「早く介抱してやるがいい。絞められたくらいで往生するような婆アじゃあるめエ」
いきなり死骸を抱き起こしましたが、石っころのように冷たくなって、もはや命の余燼も残っていそうもありません。
「こいつはいけねエ」
金五郎は死骸を置いて表戸を開けると、そこには、岩吉の隣に住んでいる日傭取の与八と女房のお石が、叱られた駄々っ児のような、脅えきった顔を並べて立っているのでした。