Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

あの日どこに何をしていたか、――近ごろ東海坊の悪口を言わなくなったか。そんなことをよく聴き込んで来てくれ――」

「そんな事ならわけはねエ」

「あ、ちょっと待った八。それからもう一つ、あの日道灌山へ、大徳屋徳兵衛は夏羽織を着て来なかったか、それを訊いて来てくれ」

「ヘエ――」

ガラッ八の八五郎は何が何やらわけも解らず、闇雲に飛出してしまいました。

「お静、羽織を出してくれ。ちょっと下谷まで行って来る」

いつにもなく羽織を引っかけた平次、それから下谷一円を廻って髪結床、湯屋、町医者と、根気よく訪ねました。

日が暮れて帰って来ると、八五郎は一と足先に戻って、――待人来たらず――を絵で描いたように、入口の格子に凭れて顎を長くしております。

「あ、親分。待ってましたぜ」

飛付くような調子。

「嘘を突きゃがれ。一と足先に帰ったばかりじゃないか」

「どうして、それを」

「路地の口へ干したカキ餅を引っくり返されて、煎餅屋のお神さんブウブウ言いながら、半分くらい拾い込んだところへ俺が帰ったんだ。あんな粗相をするのは、この路地の中に一人も住んじゃいないよ」

「へッ」

八五郎まさに一言もありません。