Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

平次は馬道で朝帰りの客のために開いている飯屋に飛込み、そそくさと腹を拵えながら、八五郎を励ましました。

「大丈夫ですよ、親分。自慢じゃねエが、喰う物さえ喰わしておきゃ、もう二た晩三晩寝なくたって驚きゃしませんよ」

熱い味噌汁を啜りながら、八五郎は肩を聳やかします。この男の取柄は、全くこの忠実と、疲れを知らぬ我武者羅だったかも知れません。

橋場の文七のところへ行くと、文七は留守。一と月も前から寄り付かないそうで、女房は大嫉妬で半病人になっている有様です。

何を訊いても噛み付きそうで、手掛りを引出すどころの沙汰ではなく、さんざんの体で引揚げてしまいました。

もっとも、近所で訊くと、大方の見当だけは付きました。がその話というのがまた大変です。

橋場の文七は、どこから持出したか、自分の船に大一番の早桶を積み、諸人を嫌がらせながら、川筋を上へ下へとたった一人で漕ぎ廻っておりましたが、それもどうしたのか、七日ばかり前からふっつりと姿を見せなくなったというのです。

「早桶はひどいことをしやがる」

その中に庄司の惣領林太郎を入れて、人目を誤魔化して日の経つのを待ったことは、疑うべくもありません。