Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate

Aozora Bunko

その悲運の中へ、騒ぎがあって一年ほど経った去年の二月十七日――腹を切った先代の主人総兵衛の一周忌に当る日から、白紙の脅迫状が、毎月一本ずつ舞い込んで来るのでした。何とか文句を書いてくれさえすれば、脅迫者の望みに添うこともでき、できなければできないなりに、断る方法もあったでしょうが、一年間毎月一本ずつ、決った日に舞い込んで来る白紙の脅迫状の無気味さには、さすが剛愎者の主人徳次郎も、すっかり閉口してしまいました。

「一字一句も書かない白紙の手紙――世の中にこんな恐ろしいものはございません。主人も近頃は憑き物がしたようで、ろくに三度のものも召上がらず、蒲団を被って寝たっきり、家の中は夜も昼も真っ暗でございます」

幸吉は語りおわってホッと息をつくのです。一年にわたって付け廻した白紙の脅迫状には、若い幸吉まですっかり憑かれている様子でした。

「それだけのことじゃ俺にもどうしていいかわからない。斬ったとか張ったとか言うなら、行ってみる術もあるが――」

「親分、どうしたものでございましょう」

「店の者はそれっきりかえ」

「鶴吉という小僧がおります。十三になったばかりで」