Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十二)狐の嫁入 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 139.230 caratteri · 280 schermate
中から白紙を引出して見ると、これはまたなんという汚れようでしょう。ある物は皺だらけになり、ある物は焼け焦げて半分以上も千切れ、見る蔭もない惨憺たる有様です。
「恐ろしく汚くなったものですね、親分」
ガラッ八はいつの間にやら帰って来て、後ろから覗いておりました。
「焙ってみたり、水に濡らしてみたり、薬を塗ってみたり、いろいろ工夫をしたんだろう。白紙に明礬とか南瓜の汁とかニガリとか、灰汁とかいうもので、何か書いてあるんじゃないかと思ったんだろうよ。が、やはりただの白紙だ、隠し文字も何にもなかったらしい」
「…………」
主人がどんなにこの白紙の脅迫状に悩まされたか、ガラッ八も文六も、ツイ暗い心持になります。
それから八五郎の集めて来た家中の者の筆跡を調べましたが、白紙脅迫状の封書に似たのは一つもありません。番頭の文六は唐様の達筆、手代の幸吉は職業的な器用な字で封筒の稚拙味は真似てもできそうもなく、娘の幾代の仮名文字の美しさも、下女のお道の金釘流も、小僧の鶴吉のたどたどしい筆跡も、およそ白紙脅迫状の封筒の文字とはかけ離れたものだったのです。そのうちで飯炊きのお山だけは一文不通で、いろはのいの字も書けないとわかって、これは全く疑いから除外されました。