Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 109.804 caratteri · 225 schermate
三
三
それから二日、越前屋の番頭殺しの下手人は、わけもなく挙がりそうで、一向眼鼻もつかなかったのです。
越前屋は数万両の大身代で、その跡取りは当然問題になるべきはずですが、遺言状を預かっているはずの番頭清六が殺され、支配人の吉三郎が大坂から帰らなくては、何が何やら見当も付きません。一番疑われるのは、当然吉三郎と相続争いになる甥の金次ですが、金次は亥刻半(十一時)過ぎまで帳場に居たことが明らかになり、早い湯の清六がそれまで風呂に浸っているはずはないのですから、これは煙草入の証拠があったに拘らず、辛くも縄目を免れました。もっともその煙草入も半歳ほど前に支配人の吉三郎から貰ったもので、滅多に持って歩くようなザツな品ではないということも弁解の一つになりました。
浪人の岩根源左衛門も佐兵衛の遠縁に当るそうで、遺言状がなくなれば、何かの利得にありつける一人ですが、当夜自分の部屋で早寝をしたというに嘘はなく、店中の人の起きているうちは、人に姿を見られないように、外へ出ることなどは思いも寄りません。
姪のお辰も当然疑いの圏内に入るべきですが、二十一になる華奢なお辰では、虫一匹潰すのさえむずかしく、大の男の首をちょん切ることなどは、どう考えても出来ないことです。