Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
月島で幅を利していたその請負師の家へ、お島は新調の著物などを着込んで、註文を聞きに行った。寒い雨の降る日で、茶の室の火鉢の側には下に使われている男が仕事を休んで、四五人集っていた。大きな縁起棚の傍には、つい三四日前の酉の市で買って来た熊手などが景気よく飾られて、諸方からの附届けのお歳暮が、山のように積まれてあった。男達のなかには、お島が見知の顔も見受けられた。
「お上さんは莫迦に鉄火な女だっていうから、外套を一つ拵えてもらおうと思うんだが……」
金歯や指環などをぴかぴかさせて、糸織の褞袍に着脹れている、五十年輩のその親方は、そう言いながら、サンプルを見はじめた。痩ぎすな三十七八の小意気な女が、軟かものを引張って、傍に坐っていた。
「工合がよければ、またちょいちょい好いお客をおれが周旋するよ」
親分は無造作に註文を決めて了うと、そう言って莨をふかしていた。今まで受けたこともないような河獺の衿つき外套や、臘虎のチョッキなどに、お島は当素法な見積を立てて目の飛出るほどの法外な高値を、何の苦もなく吹きかけたのであった。
「これを一つあなたのような方に召していただいて、是非皆さんに御吹聴して頂きたいのでございます。