Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

そして手ばしこくコルセットをはめたり、漸く着なれたペチコオトを着けたりした。洋服がすっかり体に喰っついて、ぽちゃぽちゃした肉を締つけられるようなのが、心持よかった。そして小いしなやかな足に、踵の高い靴をはくと、自然に軽く手足に弾力が出て来て、前へはずむようであった。ぞべらぞべらした日本服や、ぎごちない丸髷姿では、とても入って行けない場所へ、彼女の心は、何の羞恥も億劫さも感ずることなしに、自由に飛込んで行くことができた。

朝おきると、懈い彼女の体が、直にそれらの軽快な服装を要求した。不思議なほど気持の引締ってくるのを覚えた。朝露にまだしっとりとしているような通りを、お島は一朝でも、洋服で出て行かない日があると、一日気分が悪かった。

自転車で納めものを運んで行く小野田が、どうかすると途中で彼女の側へ寄って来た。

「惜い事には丈が足りないね」

小野田は胴幅などの広い彼女の姿を眺めながら言った。

「どうせ労働服ですもの、様子なんぞに介意っていられるもんですか」

二人は暫く歩きながら話した。

百四

月が十月へ入ってから、撒いておいた広告の著しい効験で、冬の制服や頭巾つきの外套の註文などが、どしどし入って来た。