Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
「お上さんはいるの」
女は臆病らしく奥口を覗いたりした。
「旦那をちょっと此処へ呼んで下さいな」
女はそう言って、しつこく小僧に頼んだ。
小僧は面白そうに、にやにや笑っていた。
「旦那は今いないんだがね、お前さんも亭主があるんだから、早く帰って休んだら可いだろう」
お島は側へ来て、やさしく声かけた。そして幾許かの金を、小い彼女の掌に載せてやった。
女はにやにやと笑って、金を眺めていたが、投げつけるようにしてそれを押戻した。
「わたしお金なんか貰いに来たのじゃなくてよ。私を旦那に逢わしてください」
女はそこを逐攘われると、外へ出ていつまでもぶつぶつ言っていた。そして男の帰って来るのを待っているか何ぞのように其処らをうろうろしていた。
「そっちに言分があれば、此方にだって言分がありますよ」
亭主から頼まれたと云って、四十左右の遊人風の男が、押込んで来たとき、お島はそう言って応対した。そして話が込入って来たときに、彼女の口から洩れた、伯父の名が、その男を全くその談から手を引かしめてしまった。顔利であった伯父の名が、世話になったことのあるその男を反対に彼女の味方にして了うことができた。