Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate

Aozora Bunko

子供が可哀そうのようで」

「此方の身も可哀そうだ」

「それは色女に逢えないからでしょう」

二人の神経が段々尖って来た。そしてお島に泣いて突かかられると、鶴さんはいきなり跳起きて、家では滅多にあけたことのない折鞄をかかえて、外へ飛出してしまった。その折鞄のなかには、女の写真や手紙が一杯入っているのであった。

今もお島は、何の気なしに聞過していた姉の話が、一々深い意味をもって、気遣しく思浮べられて来た。姉の話では、鶴さんの始終抱えて歩いている鞄のなかの文が、時々植源の嫁の前などで、繰拡げられると云うのであった。

「それは可笑しいの」姉は一つはお島を煽るために、一つは鶴さんと仲のいい植源の嫁への嫉妬のために、調子に乗って話した。

「その女というのが、美人の本場の越後から流れて来たとやらで、島ちゃんの旦那は碌素法工場へ顔出しもしないで、そこへばかり入浸っていたんだって。それで、その手紙にこんな事まで書いてあるんだってさ。これも東京の人で、彼方へ往く度に札びら切って、大尽風をふかしているお爺さんが、鉱山が売れたら、その女を落籍して東京へつれていくといっているから、それを踏台にして、東京へ出ましょうかって。