Classici giapponesi con furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Leggi あらくれ di 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 119.451 caratteri · 236 schermate
おゆうはまだ水気の取りきれぬ髪の端に、紙片を捲つけて、それを垂らしたまま、あたふた家を出ていった。
「きっと鶴さんが来ているんだ」
お島はそう思うと、急に張物が手に着かなくなって、胸がいらいらして来た。
「姉さんも随分な人だよ」
お島はいきなり姉の側へ寄っていった。
「どうしてさ」姉は這っている子供に、乳房を出して見せながら、汗ばんだ顔を赧めた。
「解ってますよ」
「可笑な人だね。解っていたら可いじゃないの」
「そんな事をしても可いんですか」
「いいも悪いもないじゃないか。感違いをしちゃ困りますよ」
二三度口留をしてから、姉の話すところによると、金の工面に行詰った鶴さんが、隠居や房吉に内密で、おゆうから少ばかり融通をしてもらうために、私と姉の家へやって来たのだと云うのであった。鶴さんが、そんなに困っているとは、お島には信ぜられないくらいであったが、姉の真顔で、それは事実であるらしく思えた。
「ふむ」お島は首を傾げて、「じゃもう、あの店も駄目だね」
「そうなんでしょう。事によったら、田舎へ行くて言ってるわ」
「芸者を引張込むようじゃ、長続きはしないね。散々好きなことをして、店を仕舞うがいいや」