Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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パンドラのはこ

パンドラの匣

太宰 治

Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate

Aozora Bunko

にやって来た。竹さんは、澄まして、まっすぐに僕のところに来た。キントトと、マア坊は、このたびのお化粧の注意人物として数え挙げられていたのであるが、その夜、僕たちの部屋へやって来た時の様子を見るに、髪の形などちょっと変わったようにも見えるが、しかしまだ何だかお化粧をしているようだ。

「マア坊は、まだ口紅をつけてるようじゃないか。」と僕は小声で竹さんに言ったら、竹さんは、シャッシャッと摩擦をはじめて、

「あれでも、ずいぶん、拭いたり洗ったりして大騒ぎや。いちどに改めろ言うても、それぁ無理。若いのやさかい。」

「竹さんの働きは、大したものだね。」

「まえに、場長さんからも、幾度となく御注意があったんや。きょうの事務所からの放送を、場長さんもお聞きになって、いい御機嫌やった。きょうの放送は誰の発案かね、とおっしゃるさかいな、ひばりの発明や、とうちが申し上げたら、愉快な子ですなあ、ってな、あの笑わない場長さんが、にやにやっと笑い居った。」竹さんも、きょうの口紅事件では、さすがに少し興奮したのか、いつになくおしゃべりだ。

「僕の発明じゃあないよ。」軍功の帰趨は分明にして置かなければならぬ。