Classici giapponesi con furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate
ひょっとしたら出征したかも知れない。まだ三十歳くらいの筈だから。
こうして黒田先生の事を書いていると、本当に、時の経つのを忘れる。もう深夜、十二時ちかい。兄さんは、隣室で、ひっそり小説を書いている。長篇小説らしい。もう二百枚以上になったそうだ。兄さんは、昼と夜とが逆なのだ。毎日、午後の四時頃に起きる。そうして必ず徹夜だ。からだに悪いんじゃないかしら。僕は、もう眠くてかなわぬ。これから、蘆花の思い出の記を少し読んで、眠るつもりだ。あすは日曜だから、ゆっくり朝寝が出来る。日曜のたのしみは、そればかりだ。
四月十八日。日曜日。
晴れたり、曇ったり。きょうは、午前十一時に起床した。別に変った事も無い。それは、当り前の話だ。日曜だからって、何かいい事があるかと思うのは間違いだ。人生は、平凡なものなんだ。あすは又、月曜日だ。あすから又、一週間、学校へ行くんだ。僕は、かなり損な性分らしい。現在のこの日曜を、日曜として楽しむ事が出来ない。日曜の蔭にかくれている月曜の、意地わるい表情におびえるのだ。月曜は黒、火曜は血、水曜は白、木曜は茶、金曜は光、土曜は鼠、そうして、日曜は赤の危険信号だ。