Classici giapponesi con furigana
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パンドラのはこ
パンドラの匣
Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate
案外、好々爺で、おうよく来たね、と目を細めて、いやいや、そんな筈はない。甘く考えてはいけない。いやしくも日本一の劇作家だ。きっと、眼がらんらんと光り、腕力なども強いだろう。でも、まさか殴りゃしないだろう。もし殴ったら、僕だって承知しない。猛然と反撃を加えてやる。すると彼は、小僧でかした、その意気じゃ、と言って入門をゆるすという事になる。そんな映画を見た事があった。あれは、宮本武蔵の映画だったかな? ああ、空想は果しない。とにかくあすの会見の次第に依っては、僕の生涯の恩師が確定されるかも知れないのだ。実に、重大な日である。今夜は僕は、どうしたらいいのだろう。本を読もうと思っても一ペエジも一行も、頭にはいらない。寝よう。それが一ばんいいようだ。寝不足の顔で出かけて行って、第一印象を悪くしては損である。でも、とても眠れそうにもない。外では、工夫の夜業がはじまった。考えてみれば、夜の十時から朝の六時頃まで、毎日のようにやっている。約八時間の激しい労働である。エッサエッサと掛け声をかけてやっている。何をしているのだろう。マンホールからガス管でも、ひっぱり出しているのだろうか。