Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
パンドラのはこ
パンドラの匣
Leggi パンドラの匣 (パンドラのはこ) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 192.644 caratteri · 386 schermate
「叱られたのよ。あんまり調子に乗って騒ぐので、ゆうべ、竹さんに言われたのよ。」
竹さんは助手の組長だ。叱る権利はあるだろう。まあこれで、すべて、わかった。なんという事も無かった。はっきり、わかったというものだ。なあんだ! 組長に叱られて、それで悩みがあるもすさまじいや。僕は、実に、恥ずかしかった。僕のあわれな自惚れを、キントトにも、越後獅子にも、みんなに見破られて憫笑せられているような気がして、さすがの新しい男も、この時ばかりは閉口した。実に、わかった。何もかも、よくわかった。僕は、マア坊の事は、きれいにあきらめるつもりだ。新しい男は、思い切りがいいものだ。未練なんて感情は、新しい男には無いんだ。僕はこれからマア坊を完全に黙殺してやるつもりだ。あれは猫だ。本当につまらない女だ。あはははは、とひとりで笑ってみたい気持だ。
お昼には、竹さんがお膳を持って来た。いつもは、さっさと帰るのだが、きょうは、お膳をベッドの傍の小机に載せて、それから伸び上るようにして窓の外を眺め、二、三歩、窓のほうへ歩み寄り、窓縁に両手を置いて、僕のほうに背を向けたまま黙って立っている。