Classici giapponesi con furigana
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うえすぎけんしん
上杉謙信
吉川 英治
Leggi 上杉謙信 (うえすぎけんしん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.102 caratteri · 256 schermate
常時、この妻女山に立っている物見は、武田方とみれば容赦はしません。四、五挺の鉄砲をならべて人夫共を撃ちました。その一発が、あわれ、鶴菜どののどこかに中った。――よう似ているがと、同じこの山から、それを凝視していたそれがしがしまったと、かけ下りて来て、物見の足軽どもを止めた時はもう間にあわぬ。すぐ川を越えて、救いにと思ったが、待てと、考え当ったのは、ふたたび川の此方へ連れ戻ることが、鶴菜どのにとって幸か不幸か、それでござった。――きょう夜があけてみれば仆れているすがたもない。足軽のはなしによれば、草刈人夫の百姓が、夕闇にまぎれて、遠くどこへやら担ぎあげて逃げて行ったという。……さては怪我はしても生命はあったものであろう。そんなことを、朝から思うていたところへ、折も折、あなたという対岸の敵陣からのお使者。偶然ではありません。善光寺如来のおひきあわせかも知れぬ。……御陣務、お暇はあるまいが、もし何ぞの御寸暇でもあったら、この川中島の界隈、遠からぬ百姓家に手当されておるかと察しられます。尋ねておあげなされ。いや如来の御手をさし伸べてあげなさい」
弥太郎は、銚子を取って、使者へ酌ぎ、また自分へ酌ぎ、しきりと杯をかさねた。