Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
多計代は、娘に対するというより、むしろ年下の若い女に好意ある揶揄をするという風に、笑いを含んで云った。
「――それでよく感心に、一人で帰る気になれたね」
「だって大変だと思ったし……」
伸子は、母に面と向って、佃の名を口に出すことを変に極りわるく感じ、省略して云った。
「今はどうせ大学を離れられなかったから」
「一人で却ってよかったよ、いろいろ相談しなければならないからね、家としても重大な問題だから。父様はああいう方だからお前には何にもおっしゃるまいが、大変だったのさ、私ばかり――内と外でね」
多計代は、伸子が脱ぐ薄いブラウズや可愛いレース飾りのついた細々したものを、いちいち手にとって眺めた。
「女のものは何処へ行っても綺麗だね、これは何と云うもの?」
彼女は、出発の時、自分も一緒に手伝ってトランクにつめてやったものを、伸子が身につけていたのを認め、懐しそうに云った。
「おや、まだそれを持っていたの?」
「相変らず……着物なんぞ一向拵えなかったのよ」
「私の上げた短冊はどうなったろう」
「あるわ」
多計代は、伸子が出かけるという朝「かなし子よまさきくてあれ海遠くわけへだつとも母見まもれり」