Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
「可笑しいじゃないか、父様ったら今朝しきりに、伸子が昨夜何を話したっておききなさるんだよ」
「そうお、父様を仲間はずれにしたからよ、きっと。――何ておっしゃって、それで」
「何って、話したことをまた話して上げたの」
「満足なさった?」
「特別に私と寝たいって、お前が云ったろう。だもんで何か――お前が身持にでもなったのかと思ったっておっしゃるのさ」
多計代は、そう云いながら、何と突拍子もない笑い話でないか、という風に笑った。
伸子は妙な苦々しさを感じた。もし、実際自分がそういう体であったら、このように、そんなことはあり得ないと思いこんでいるような母は、どんな顔をするであろう。彼女は、母の微妙な言葉の抑揚から、はっきり、自分の結婚がどうとられているかを理解した。昨日船まで出迎えに来てくれた父が、そわついて、人目を憚るようにしていたのと思い合せ、伸子は厭な心持がした。
「本当に世間なんて厭なものさ、お前のことが知れると、津村の奥さんなんか、ふだん足踏みもしたことないのに早速やって来てさ、それ見たことかと云わんばかりのことを云うしね。会わなければ会わないで、なおさら変に思われるから、大きなおなかを抱えて、苦しいのを堪えて、いちいち会う思いったらなかったよ」