Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
彼らの小テーブルの上には後にある背の高い、玉虫色の笠のついた客室用ランプから穏やかな明りがふりそそいだ。
彼女は目録を繰り、面白そうな講義題目を見つけると、その評判などを訊いた。
「あら、ここに貴方のがあってよ。――先生、変なお名前ね、どれも」
「ああそれは波斯人です。シリア人の先生もいます……ヨハナンというのがありましょう、その辺に」
「――学生はどんな国のひと」
「もう少し先の方……学生は今二人ぎりです、私と……」
伸子は頁を翻した。成程、学生は二人しかいない。佃と、ミセス・フロラ・シドニスという人と。
「その女のひとは、もう随分永いこと勉強しているんです。良人の人も矢張りC大学にいるそうです。論文を書きたいのだそうですが、ドクタア・フォセトが弱いので思うように進めないと、よく怒っています――」
「ドクタア・フォセト、もう御老人?」
「さあ――五十六七でしょう。ウイスキイと煙草をあまり沢山飲むので、時々倒れます」
彼に三度目に会った時からの疑問が伸子の心に甦って来た。彼女はきいた。
「ドクタア・フォセトは貴方を大事にしていらっしゃって?」
むきつけな質問に佃は一寸間誤ついたようであった。