Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
赤くて、小ちゃくて、穴だらけよ」
皆がふき出した。高い窓から霜げたゆずりはの梢が見えるのが、冬の日曜らしくのどかであった。
伸子は、三十分ばかりして、母に訊いた。
「私父様に伺うことがあって来たんだけれど――お客様ながいの?」
「そうだね」
多計代は時計を眺めた。
「おや、もう二時間あまりになるね、もう直きだろう、何か会社の方の関係らしいから。泊ってったっていいんだろう、今日は。そうおしよ」
伸子は蒸しずしをたべながら、
「今日はとても駄目よ、御病人だから」
と云った。
「へえ」
多計代は意外そうに訊いた。
「佃さんかえ?」
「こないだから寝ているの」
事もなげに、多計代は呟いた。
「また例のおなかだろう。相変らず弱いねえ」
「おなかじゃあないのよ、今度は。――」
そこへ、父が入って来た。
「やあ。来たね」
伸子達は、揃ってぞっくり立ち上った。
「今日は」
「こんにちは、伯父様」
「こんちは!」
父はおどけて、眼鏡を鼻の先にずるこかせた。
「こりゃ大変だ! うちの子が倍になったぞ。どれがどれだか見分けがつかない」
騒ぎが鎮まってから、伸子は父に訊いた。
「父様、いつだったか、いい寝台のカタログを見ていらっしゃったことがあったわね、あれ今でもあること?」