Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
「私何だか少し楽しみになって来たわ」
と、並んで歩いて居る佃に云った。
「やっぱり学校はいいわね。可笑しいでしょう? こんなところへ来ると私うんと勉強でもしたい気になってしまうの」
佃は、山高帽の頭だけを小さい伸子の方に傾け、軍隊教練を受けた人のように胸を張って歩きながら、丁寧に答えた。
「――おやりになったらいいでしょう」
伸子は笑い出した。
「私のように楽しみずきの人間はとても安川さんのように勉強できません。――ただ私はいろいろなものに興味を持つというだけよ――あなたこそしっかりなさるといいわ。――今何?」
「経文の翻訳です。昔拝火教徒が使った呪文のようなものです……」
「面白くて?」
「さあ……」
「ただの参考品?――初めてあなたがお訳しになるの?」
「ずっと昔に仏蘭西人で訳した人があるんですが間違いだらけなのです。それで今度やっているのですが……」
フォセト博士の研究室だという建物の横の枯芝生で、栗鼠がのどかに遊んでいた。C大学は市中にあったが、構内のところどころに広い芝生や並木道などがあり、牧神の鋳像のついた噴水なども見られた。
彼らは大学の正門からブロウドウエイに出た。