Classici giapponesi con furigana
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のぶこ
伸子
宮本 百合子
Leggi 伸子 (のぶこ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 232.543 caratteri · 466 schermate
曲目をきくと伸子は行って見たくなった。しかし、土曜日と云えば誰でもが特別賑やかに過したい夜だが――佃はどうするだろう。彼一人放っぽり出して行くのも心残りのような気がして返事を躊躇しているところへ、佃が入って来た。伸子は挨拶がすむのを待ちかねて、佃に今受けた招待のことを話した。
「あなたどうなさること――私少し行きたいんだけれど……」
立ったまましゃべっている珠子や伸子にかまわず、佃は椅子にかけた。伸子の云うことを終いまで聴くと、彼は不機嫌そうに、
「僕は勿論招ばれてはいないんでしょう?」
と反問した。珠子はびっくりしたように伸子を見た。
「今度は私だけよ……若しあなたの方に予定でもあるといけないと思って、中西さんに待ってていただいたの」
佃は二人の方は見ず、山高帽を片よせ書籍やノオトを机の上に並べはじめながら云った。
「あなたがいいと思う通りに返事なすったらいいでしょう」
佃と四ヵ月の交渉の間に、伸子は度々このような言葉をきいた。彼女はいまも、それが初めてのような苦痛を感じ、
「……両方いいようにした方がいいじゃないの」
と云った。
「自分の判断で返事をなさればいいです。