Classici giapponesi con furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate
やつと、学校へ行くものが行つてしまい、父が庭の掃除に立ち、母がマーケットへ出かけた留守に、彼は、妹の多津と二人きりになることができた。
「お話したいことが、いつぱいあるのよ。でも、今日はよすわ、お疲れになつてらつしやるんだから……。たゞ、ちよつとだけね。あたし、二年前に結婚したの。そして、すぐ、別れたの。それを早くお耳に入れておかないと、いやでしよう、だから……。兄さまつたら、あたしの顔ばかり、じろじろ見てらつしやるんですもの」
多津は、そう言い終ると、急に、晴れ晴れと、くつろいだ笑顔をみせた。
「いや、そんなわけじやないが、なんだか、お前ひとり沈んでるようにみえたんだよ。なんだ、そんなことか、別に、苦にするようなことじやありやしない。それとも、出戻り扱いをする奴でもいるのか」
彼は、今がはじめてと言つていゝほど、この妹のやわらかな心に触れて、すつかり、よい兄らしく振舞つた。
「うゝん、別に……。そりや、ひけ目みたいなものは感じるわ。それや、どうすることもできないの。それがひがみになるとこわいと思つて……。家つて、やつぱり、デリケートだわ。いろいろ、ご相談したいわ。