Classici giapponesi con furigana
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ひかりはかげを
光は影を
岸田 国士
Leggi 光は影を (ひかりはかげを) di 岸田 国士 (きしだくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.262 caratteri · 276 schermate
彼がそう言い終るか終らぬうちに、
「京野一家なんぞどうなつたつていゝわ。あたしは、はつきり言うと、母さんだけは気の毒だと思うの。将来、もし母さんが一人つきりになつたら、あたし、母さんを養つてもいゝわ。それまでは、この家へは、絶対に寄りつかないわ」
と、真喜は、宣言した。
十二時が鳴つた。多津はとうとう、その晩は戻つて来なかつた。
京野等志は、小萩のことで頭がいつぱいのところへ、急にまた、一家の問題が手のつけようもなく眼の前に繰りひろげられ、しばらく唖然とするよりほかなかつた。床にははいつたものゝ、あれこれと思い悩むばかりで、なにひとつ、解決のいとぐちを見出すことはできず、冴えかえる瞼をじつと天井に向けて、夜の明けるのを待つた。
翌日、彼は、父と二人きりになつた時、父に向つて、すこし改まつた調子で言つた。
「お父さん、僕は京野家の長男として、自分が今、おかれている地位というものを考えるんですが、どうでしよう、いつたい、われわれ現在の家族が、こうして同じ屋根の下で生活する意味は、もうないんじやないでしようか。もちろん、自然崩壊の現象はとつくに始まつていますが、こゝは、ひとつ、お父さんから、はつきり、一家解体の声明をなすつたらどうかと思うんです。