Classici giapponesi con furigana
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ほうがんさぶろうのしょうたい
判官三郎の正体
野村 胡堂
Leggi 判官三郎の正体 (ほうがんさぶろうのしょうたい) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.587 caratteri · 25 schermate
「それだよ、伯父の悪口をいっちゃすまないが、世間から『地獄の筒井』といわれる位だから、伯父のやり口も充分悪かった」
「あの古代の宝玉というのは、有名な蒐集家の遺族から預って、金を返す期限が二三日遅れたというので、涙を流して頼みこむ預け主へ、どうしても返さずに居た品物だというじゃないか」
「その通り、残念乍ら僕も伯父の弁護だけは出来ないよ、義賊気取りの判官三郎に覘われたのも無理は無いさ」
「マア黒津さん、そんなに伯父さんの悪口を仰しゃるものじゃありませんワ」
後ろの方から、洗練された美しい声、振り返って見ると、次の間に通ずる扉を背にして、オパール色の洋服を着た、目の覚めるような美しい娘が立って居ります。
「オ、栄子さん、丁度いいところへ」
青年達は、腰を浮かして、この美しい人を迎えました。唐船男爵の一粒種で、才色兼備の見本のような令嬢、毎月変った姿態の写真が、二枚や三枚は、婦人雑誌へ出ない事が無いという、一代の人気を背負って立ったような令嬢です。
「黒津君が伯父さんの悪口をいうのは、存分にお小遣が貰えないからなんですよ……」
「マア」
「コラ何を人聞の悪い事をいう、君のようなノラクラ者と違って、これでも独立独歩の月給取だぞ、お小遣に困るようなサモしいんじゃない」