Classici giapponesi con furigana
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ほうがんさぶろうのしょうたい
判官三郎の正体
野村 胡堂
Leggi 判官三郎の正体 (ほうがんさぶろうのしょうたい) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.587 caratteri · 25 schermate
「ハッハッハッ、まあ怒るな。ところで英子さん、今ここで、判官三郎の噂をして居たんですが、あなたはどうお思いになります?」
「まあ素的ネ」
「判官三郎を憎んだものだろうか、それとも讃美したものだろうかと言うのです」
「憎むところなんかありませんワ。判官三郎は神出鬼没の怪盗ですけれど、意地の悪いことや、残酷なことは決してしません。反って悪い者を懲しめて、弱い者を助けるというじゃありませんか。丁度アルセーヌ・ルパンのようネ、身軽で、冒険好きで、快活で、大胆で、第一義侠的なところがいいワ」
「これこれ何をいうのじゃ、泥棒崇拝は少し慎しんだがよかろう、深山君、君はこの問題をどう思うネ?」
「…………」
男爵に声をかけられて、僅に顔を上げたのは、一人離れて、長椅子の上に陣取った、深山茂という若い大学教授です。今まで読み耽って居た、外国語の分厚な本から離した眼は、深い瞑想に沈んで、今しがた何を問いかけられたかさえ解らないよう、もう一度促すように、静かに男爵の顔を見上げて、その黒耀石のような眼をまたたくのでした。
「判官三郎という、巨盗を君は知って居るかな」
「イヤ、一向……矢張り石川五右衛門といったような」