Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうけつき

吸血鬼

江戸川 乱歩

Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate

Aozora Bunko

たそがれが、作り出した、物の怪であろうか。

「こうして見ていると、彫刻なんて、本当に薄っ気味の悪いものですね」

心なき田舎親爺にも、ただならぬ気配が感じられたのか、家主は低い声で不気味らしく呟くのであった。

三人は、迫り来る薄くらがりに、無言のまま、立ちつくしていた。その様は、恰も、八人の群像に、更に奇怪なる三体を、増したかの如く見えたのである。

「アッ、いけない。お前さんなにをするんだ」

突如、家主がけたたましい叫び声を立てて、明智の側へ駆け寄った。

だが、もう遅かった。

明智は、一人の裸婦の腰のあたりを、いやという程蹴飛ばしたのである。

家主の親爺が怒ったのは無理はない。見も知らぬ男が、何の断りもなく、二千円の商品を蹴飛ばしたのだ。そして、その大切な石膏像が欠けてしまったのだ。

「あんた、気でも違ったのかね。何という乱暴をするんだ。サア、弁償して下さい。売物が台無しになってしまった、二千円がビタ一文かけても承知するこっちゃない」

親爺は明智の胸ぐらをとらんばかりにして、がなり立てた。

裸女の一人は、腰のあたりが四五寸程も欠けて、気の毒な姿になった。