Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
「だが、賊はかえって、君に飛びかかって来た」
「そうです。僕は自分の腕力を頼みすぎたのです。あいつが、あれ程強いとは思いませんでした。僕はたちまち、あいつの一撃を食って、ボートの中にぶっ倒れてしまいました。それ切り、何も知りません。ボートが爆発したというのも、今聞くのが初めてです」
「それが、君の仕合せだったかも知れません。何も知らず、ボートの顛覆と共に、水の中へもぐったまま、もがき廻らなかったので、焼けどもせず、大して水も飲まなんだのです、賊の方はきっと大怪我をしているでしょう」
この恒川氏の想像は、たちまち的中した。丁度その時、さい前から舟を徐行させて、海面を探し廻っていた警官達が、とうとう賊の死骸を発見したのだ。
死体は直様ランチに引上げられたが、どう介抱して見ても、無駄であった。
爆発の時か、それとも海面をもがき廻っている間にやられたのか服は無慙に焼けこげ、手足にも焼けどをしていたが、殊更顔は、二目と見られぬ物すごい形相に変っていた。
「気味が悪いようだね。よくも、これまでひどく焼けただれたものだ」
人々は、その顔面を、正視するに忍びなかった。