Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
「イヤ、そんな筈はない」
三谷はなぜか、苦悶、困惑の表情を浮かべて、
「斎藤老人は全く過失の為に殺されたのです。賊の意志が働いているとは思えません。あの人が賊の同類だなんて、そんな馬鹿なことがあるものですか」
恒川氏は三谷の異様な言葉を聞き漏らさなかった。
「あの人とは?……ではもう下手人が分っているのですか」
「分っているのです。全く過失の殺人なのです」
三谷は青ざめた顔を、泣き出し相にゆがめて、苦悶の身もだえをした。
「誰です。その犯人というのは」
警部がつめよる。
「僕が悪いのです。僕がいなかったら、こんな事は起らなかったのです」
三谷青年が、これ程取乱すのは、よくよくのことに相違ない。
「誰です。そして、その犯人はもう逮捕されたのですか」
「逃げたのです。併し、子供を連れた女の身で、逃げおおせるものではありません。あの人は間もなくつかまるでしょう。そして恐ろしい法廷に立たなければならないのです」
「子供を連れた、女ですって? では若しや……」
「そうです。ここの女主人の倭文子さんです。倭文子さんが、過って斎藤執事を殺したのです」
恒川氏は、余りに意外な下手人にあっけにとられてしまった。