Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
三谷青年が即ち唇のない怪物ではなかったか。あの体臭の一致を何と解釈すればよいのだ。
何もかも、最初から、深くも企んだ悪事だ。ひょっとしたら、斎藤老人の変死事件も、悪魔が巧なトリックで、さも私が下手人と思い込むように、仕向けたのではあるまいか。アア、恐ろしいことだ。
倭文子はかつ然として、何事かを悟った様に思った。
「それなれば、それなれば、私は今おめおめと死ぬべき時ではない。どうともして、この窮地を逃れ濡衣をほさなければならぬ」
彼女は俄に、茂と一緒になって棺のふたを破ろうと、死にもの狂いにもがき始めた。
「茂ちゃん。サア、もう構わないから、呶鳴るんです。外の小父さんに聞えるように、わめき立てるのです」
そして、母と子は、ワーッと、泣くとも叫ぶともつかぬ、恐ろしいうなり声を立てて、滅多無性に棺の板を蹴りたたき始めた。
だが、何をいうにも、厚い板と鉄の扉で、二重に隔てられている上に、ごうごうと燃えさかる火焔の音にさまたげられ、充分には外へひびかぬ。のみならず、隠亡にして見れば、まさか棺の中に、生きた人間が入っていようとは、思いもよらぬので、たとい少々声が聞えても、それと気づく筈がない。