Classici giapponesi con furigana
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きゅうけつき
吸血鬼
江戸川 乱歩
Leggi 吸血鬼 (きゅうけつき) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 190.554 caratteri · 381 schermate
若しちょっとでも、そそのかす者があったら、気の弱い女が、家出をする気になるのは、当然ですよ」
「成程、実によく道筋が立っていますね。僕にしたって、その外に考え様がありません」
恒川氏は一応は感服して見せたが、しかし、その次の瞬間には、やっぱりどこやら腑に落ぬ面持になる。
「だが、どうも辻つまの合わぬ点がありますよ。ろう仮面の犯人は、一体何のために、そんな廻りくどいことをやっているのでしょう。彼奴の真意はどこにあるのでしょう。畑柳庄蔵を殺して宝石を奪った所を見ると、それが目的であった様にも思われるが、それなら、何も斎藤老人まで殺さなくてもよいではありませんか」
「イヤ、畑柳を殺したのも、斎藤を殺したのも彼の真意ではありません。先日も申上げた通り彼奴はまだ目的を果していないのです。本当に奴が殺そうと企らんでいる人物は、もっと外にあるのです」
「誰です。その人物というのは」
恒川氏は、またしても、真向から一太刀浴びせられた感じで、しどろもどろにたずねる。
「畑柳倭文子さんです。そして、恐らくは茂少年も一緒にです」
明智はズバリといった。
恒川氏は、ついさい前まで、倭文子を人殺しの大罪人として捕えることばかり考えていた。