Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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だらくろん(ぞくだらくろん)

堕落論・日本文化私観 他二十二篇

坂口 安吾

Leggi 堕落論・日本文化私観 他二十二篇 (だらくろん(ぞくだらくろん)) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 84.198 caratteri · 171 schermate

Aozora Bunko

街頭で酒店で会う人ごとにサルトルはいかがとくる。まるで私が今サルトルと別れてフランスから帰ったような有様だから、私もつい癪にさわって、うん、シロで、サルトルとシャンパンにカレイのヒレを落してオカンをした奴をのんだよ、うまくなかったね、然し実存主義よりはいくらか清潔な飲み物でした、などと言う。すると中には、へえ、シロってのは何ですか。君シロを知らないですか。プルウスト先生行きつけのパリきっての上品なレストランです。ここでシャンパンを飲んだのは日本人で拙者ぐらいのものですよ、とおどかす。すると、へえ、あなたが、と云って、私の行きつけの怪しき飲み屋の怪しき構えを改めてジロジロ見まわしたり、又は私の怪しき洋服に目をつけたりする。巴里へいついらっしゃったんですか、ときくから、君冗談じゃないぜ、僕は日本にいくらもいやしないよ、戦争になって、やむなく交換船で追い返されてきたのだ、実存主義なんて八、九年前に僕がモンマルトルの屋根裏で寝言のつもりで言いだして、今はもう忘れてしまったんだ。執念深く覚えているのはサルトルぐらいのものだぜ、と云って、あとはクダをまいてしまう、というテイタラクである。