Classici giapponesi con furigana
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よあけのつじ
夜明けの辻
山本 周五郎
Leggi 夜明けの辻 (よあけのつじ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.801 caratteri · 86 schermate
「こんな処で待っていたとはなぜだ」
「お留守のあいだに大変なことになりました。大奥さまもお嬢さまも、お屋敷にはいらっしゃいません。旦那さまにも横目役所から手配がきております」
「そうかやはりあれが禍になったか」
板鼻の宿で山県大弐を救うため、紙屋十郎兵衛はじめ数名の者に手傷を負わせた……そうならぬよう、ずいぶん苦心したが、ついに三四人に手を負わせてしまった。
――しかし私怨ではない、大弐どのを救うためにしたことだ。津田国老には分ってもらえるであろう。
それまで大弐を刺そうとして、反対に盲無念のために討止められた人々は、津田頼母が仔細なく片付けたのを知っている。だからこの場合も、むろん国老がなんとか後始末をしてくれるだろうと、考えていた。そう考えたから、すぐ帰るよりは、少しほとぼりをさましてからのほうがよかろうと思い、また一方では、もっと深く大弐の学問に触れたいという希望もあって、二十日あまり一緒に甲州路の旅をともにして来たのであった。
大弐は展墓のため、甲斐の国巨摩郡篠原村の故郷へ帰るのだった。しかしそれは同時に、故郷の人々と今生の袂別をする隠れた意味ももっていたので、篠原村では十日あまりも滞在し、有士のために両三回ほど講筵も敷いた……伊兵衛は甲斐路の途上と、篠原村に滞在しているあいだに、大弐の思想をかなり