Classici giapponesi con furigana
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あにきのようなこころもち
大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ
Leggi 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ (あにきのようなこころもち) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.007 caratteri · 56 schermate
久保田万太郎氏
僕の知れる江戸っ児中、文壇に縁あるものを尋ぬれば第一に後藤末雄君、第二に辻潤君、第三に久保田万太郎君なり。この三君は三君なりにいずれも性格を異にすれども、江戸っ児たる風采と江戸っ児たる気質とは略一途に出ずるものの如し。就中後天的にも江戸っ児の称を曠うせざるものを我久保田万太郎君と為す。少くとも「のて」の臭味を帯びず、「まち」の特色に富みたるものを我久保田万太郎君と為す。
江戸っ児はあきらめに住するものなり。既にあきらめに住すと云う、積極的に強からざるは弁ずるを待たず。久保田君の芸術は久保田君の生活と共にこの特色を示すものと云うべし。久保田君の主人公は常に道徳的薄明りに住する閭巷無名の男女なり。是等の男女はチエホフの作中にも屡その面を現せども、チエホフの主人公は我等読者を哄笑せしむること少しとなさず。久保田君の主人公はチエホフのそれよりも哀婉なること、なお日本の刻み煙草のロシアの紙巻よりも柔かなるが如し。のみならず作中の風景さえ、久保田君の筆に上るものは常に瀟洒たる淡彩画なり。更に又久保田君の生活を見れば、――僕は久保田君の生活を知ること、最も膚浅なる一人ならん。