Classici giapponesi con furigana
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あにきのようなこころもち
大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ
Leggi 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ (あにきのようなこころもち) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.007 caratteri · 56 schermate
滝田哲太郎君
◇
滝田君に初めて会ったのは夏目先生のお宅だったであろう。が、生憎その時のことは何も記憶に残っていない。
滝田君の初めて僕の家へ来たのは僕の大学を出た年の秋、――僕の初めて「中央公論」へ「手巾」という小説を書いた時である。滝田君は僕にその小説のことを「ちょっと皮肉なものですな」といった。
それから滝田君は二三ヵ月おきに僕の家へ来るようになった。
◇
或年の春、僕は原稿の出来ぬことに少からず屈託していた。滝田君はその時僕のために谷崎潤一郎君の原稿を示し、(それは実際苦心の痕の歴々と見える原稿だった。)大いに僕を激励した。僕はこのために勇気を得てどうにかこうにか書き上げる事が出来た。
僕の方からはあまり滝田君を尋ねていない。いつも年末に催されるという滝田君の招宴にも一度席末に列しただけである。それは確震災の前年、――大正十一年の年末だったであろう。僕はその夜田山花袋、高島米峰、大町桂月の諸氏に初めてお目にかかることが出来た。
◇
僕は又滝田君の病中にも一度しか見舞うことが出来なかった。滝田君は昔夏目先生が「金太郎」