Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あにきのようなこころもち
大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ
Leggi 大川の水・追憶・本所両国 現代日本のエッセイ (あにきのようなこころもち) di Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.007 caratteri · 56 schermate
江口渙氏の事
江口は決して所謂快男児ではない。もっと複雑な、もっと陰影に富んだ性格の所有者だ。愛憎の動き方なぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身不快でなければ、近代的と云う語で形容しても好い。兎に角憎む時も愛する時も、何か酷薄に近い物が必江口の感情を火照らせている。鉄が焼けるのに黒熱と云う状態がある。見た所は黒いが、手を触れれば、忽その手を爛らせてしまう。江口の一本気の性格は、この黒熱した鉄だと云う気がする。繰返して云うが、決して唯の鉄のような所謂快男児などの類ではない。
それから江口の頭は批評家よりも、やはり創作家に出来上っている。議論をしても、論理よりは直観で押して行く方だ。だから江口の批評は、時によると脱線する事がないでもない。が、それは大抵受取った感銘へ論理の裏打ちをする時に、脱線するのだ。感銘そのものの誤は滅多にはない。「技巧などは修辞学者にも分る。作の力、生命を掴むものが本当の批評家である。」と云う説があるが、それはほんとうらしい嘘だ。作の力、生命などと云うものは素人にもわかる。だからトルストイやドストエフスキイの翻訳が売れるのだ。