Classici giapponesi con furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠1
中里 介山
Leggi 大菩薩峠1 (だいぼさつとうげ) di 中里 介山 (なかざとかいざん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 200.314 caratteri · 398 schermate
「おい大将」
横の方から御膳駕をつく。
「やあ――」
「何がやあだ」
「旦那は足が早い」
「お前さんも早い」
「御冗談を」
「足の痛いのは癒ったかね」
「また痛み出してきました」
「そんなら今のように駈け出してごらん」
「もう御免です」
「いったい、わしをどこへつれて行きなさる」
「山岡屋のお内儀さんのところへ」
「山岡屋のおかみさんはどこにおいでなさる」
「新宿に」
「それじゃあ方角が違わあ」
「また出直しましょう」
「今度は屑屋さん先へおいで」
二人はまた歩み出すと、西の空がポーッと赤くなります。
「あれ、あんなに赤く」
「火事だ」
「新宿の方だね」
「でも、風がないから大したことはありますまい」
言っているうちに火の赤るみはようやく大きくなる。
「たしかに新宿の方角だ、早く行こう」
「足が痛うございます」
七兵衛は紙屑買いの手を取って引摺る。紙屑買いは苦しがって、
「旦那、そう引張っちゃいけません、お前様の足は早過ぎる」
「グズグズ言わずに早く歩きなさい」
「まあ待って下さい。それじゃあ旦那、私は白状しちまいます。お前様のお尋ねなさるお松さんという娘は、女郎に売られちまったんですよ」
「ナニ、女郎に? どこへ」